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グリーンサブウェイプロジェクト ~店産店消への挑戦②~

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日本サブウェイ株式会社伊藤 彰社長
日本サブウェイ株式会社伊藤 彰社長

日本サブウェイ株式会社

代表取締役社長    伊藤 彰

 

サブウェイの世界展開

私たちサブウェイは、世界の91 か国で31,950 店舗を展開しており(2009 年11 月当時。2010 年6 月21 日現在では33,038 店舗)、世界でナンバー1 の店舗数を誇る外食チェーン店を目指しております。その中で、日本のサブウェイでは「わたしたちは環境に配慮し、人々のからだとこころの「健康」に貢献する新しいファーストフード文化を創造していきます。」という理念を掲げ、2008 年1 月より「野菜のサブウェイ」というキャッチフレーズをもとに、健康で安心安全なこだわり野菜をみなさんの手元に届けるしくみづくりを始めました。科学的知見をもとに生産された野菜を提供し、生産者から消費者までが安心できるモデルをつくり上げています。

これまで、サンドイッチにはさむ野菜は、カット工場を通しており、カット工場が野菜を選んで提供していましたが、これからはサブウェイ仕様・産地指定の野菜生産を開始し、専用農法で、品質、コスト改善にこだわった野菜を提供していこうと考えています。加えて、植物工場併設型店舗を展開するという2 つの方法で野菜の生産を展開していきます。

現在、納豆菌と乳酸菌を活用した自然な農法でサブウェイ専用トマトを開発しています。そのトマトを栽培しているのは、青森県の蓬田村でトマトづくりを30 数年間続けてきた藤田さんという方です。実は、この農法に、化学合成農薬を使わずにトマトを育てる秘密が隠されています。代わりに納豆菌を使用するのです。特別な納豆菌を用いることで、トマトに病原性のある菌を寄せつけず、農薬を使わずに育てられます。さらに、化学合成肥料を使用せず有機堆肥で育てるため、体に有毒な硝酸態窒素がほとんどありません。糖度が高く、えぐみも少ないことから、おいしく、安心安全であり、日持ちがする非常に魅力的なトマトです。現在はまだ試験的な導入にとどまっていますが、青森県をはじめとする名産地の協力のもと1、2 年の間にはサブウェイで使うトマトの全量を、この農法で育てたトマトに変えていきたいと思っています。

私たちが直接農家さんとつながることで、生産者の顔が見える野菜を手に入れることができると同時に、一括購入契約を進め、規格外のトマトを活用した新商品の開発も行い、食物ロスの軽減に貢献したいと考えます。また、店舗併設型の植物工場野菜を組み合わせることで、生産者から消費者までが安心できる野菜の生産・流通経路を構築できるのです。

 

世界初の店産店消モデル

お店の中で生産した無農薬の野菜をその場でサンドイッチにはさんで提供する「店産店消」モデルは、2009 年の1 月にリバネスの丸社長とディスカッションをしているときに生まれた言葉です。世界33,000 店舗を有するサブウェイチェーンの中でも初の取り組みで、店舗内で蛍光灯やLED を利用し水耕栽培で育てた野菜をカットせずに、そのままはさみます。生産地からカット工場、そして店舗への人件費や流通経路を省くことが可能になるだけでなく、これまで原料からの歩留まり50%程度であったレタスの利用が、そのまま使用することで90%程度にまで効率化します。また、お客様からカットレタスに比べて食べやすくなったという声を聞くようになりました。

このモデルは、植物が生育する様子を店舗で直接見ることができるため、未来の子どもたちの食育活動としても非常に大切な取り組みだと考えています。2010 年中には東京都内に数店舗、植物工場併設型のお店を出す計画を進めていきます。

 

野菜×サイエンス~野菜エンス~

トマトの微生物を活用した農法とレタスの植物工場化による無農薬生産の実現が見え、生産者と消費者をつなぐ新しいモデルを構築してきました。次は、ピーマンやオニオンについてもこだわりを持った安心安全な野菜生産のかたちを実現していこうと思います。

野菜や農業に秘められたサイエンスに注目することで、安心安全の野菜というものが見えてきます。私たちは、これからも野菜の栄養と機能を科学的に伝え、科学的根拠に基づいたこだわりの農法、それを担う生産者の顔を直接伝えていきたいと思います。野菜とサイエンスを融合させる「野菜エンス」という言葉をキーワードに、子どもから大人まで一

緒に野菜を楽しみましょう。

 

* 2009 年11 月1 日に実施された東京デザイナーズウィークのセミナー「新たな生産システム・植物工場」の講演をもとに制作しています。

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塚田 周平/Shuhei Tsukada
戦略開発事業部 部長

東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命工学専攻修了 博士(農学) 上級バイオ技術者
【専門分野】農学、分子生物学、土壌微生物学
設立初期よりリバネスの運営に参加。教育・研修事業、各種ライティングに関する実践を学んだ後、先端技術を産業化する事業を展開し、地域産業への貢献を目指している。

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