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はじめに

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はじめに

何千年と続く農業の歴史は、安定的に食べ物を得ることへのあくなき挑戦の歴史です。

20 世紀、農業技術は大きく進歩しました。農薬・肥料の開発による収穫増や機械化による大規模化は、私たちの生活を豊かにしました。しかし、地球環境の変化や砂漠化・塩害による耕作適地の減少といった新たな問題が起こる中、安定的な食料生産を行うことは未だ全人類に共通した課題であり続けているのです。

そして今、人類は科学技術を駆使してこれまでにない食料生産のしくみ「植物工場」の技術を開発し、この課題の解決に向けた新たな挑戦を始めています。

この植物工場というシステムに、さまざまな人が大きな可能性を感じ、心血を注いできました。その結果、安心安全な野菜、理想的な計画生産環境負荷の少ない持続可能な農業まで、その可能性は大きく広がりつつあります。

本書は、一般消費者のみなさま、そして食産業に関わるビジネスマンのみなさまに、植物工場の現在と今後の可能性を伝えるものです。全4章に分け、それぞれの章の冒頭にて、平成21 年度経済産業省「先進的植物工場推進事業」の一環として開催した講演会をベースに、各分野のフロントランナーの話を紹介します。また、それに関わるトピックスを通じて植物工場とはどのようなものなのか、そして今後どのような可能性があるのか、物語として伝えていきます。

本書を通して、この分野にかかわる人々の熱い想いと、植物工場の可能性を感じていただければ幸いです。

(著者一同)

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