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どんな野菜がつくれる?vol. 2

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今回は、どんな野菜がつくれる?という疑問に、もう一歩踏み込んでお話しようと思います。

前回の記事では、「どんな野菜でもつくれる」というお話でしたが、最後に書いた

「光量によって栽培品目が限定される」というお話をさせていただきました。リーフレタスやハーブ類、ほうれん草などをその候補として挙げましたが、じゃあ実際にはどのような指標からそれを見ることができるのか、というお話をさせていただきます。


Creative Commons License photo credit: acidpix


光補償点と飽和照度

突然出てきたやや小難しい単語ですが、これは高校生物の教科書などで見かけたという方もいらっしゃると思いますが、植物の光合成に関連するキーワードです。

植物は、二酸化炭素を吸収して炭水化物を合成する光合成を行うと同時に、私たちと同様、そのエネルギーを消費して生命活動を維持する呼吸を行います。しかし、我々のように食べ物を食べることでエネルギーを賄うことができないので、ほとんどの植物はエネルギー源を光合成に頼っています。

つまり、光が弱すぎて生命活動を維持するための呼吸量で必要なエネルギー源を、光合成で賄えない場合、植物は生存することができません。一方、呼吸量を賄うために十分な光があれば、生存することができます。そのギリギリのライン、光合成量と呼吸量がつりあう点を「光補償点」と呼んでいます。

ここから、光が強くなれば強くなるほど、光合成量が増えていきます。しかし、ある一定量の光の強さを超えると、光合成量はそれ以上に増えなくなります。この、光合成量が増えなくなる強さを、飽和照度と呼んでいます。

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Creative Commons License photo credit: jakub_hla

飽和照度は植物で異なる

植物によって、飽和照度と光補償点は、異なります。たとえば、次のリンク先をご覧ください。

佐賀県:日照対策野菜

こちらは、照度と作物の関連そのもののためのサイトではありませんが、「施設野菜」という観点でデータがありましたので、リンクさせていただきました。

こちらのサイトを見ると、さまざまな商業作物によって、飽和照度が異なることがおわかり頂けると思います。さらに、表3-5には、先ほど言及した、「施設野菜の好適光強度」がまとめられています。蛍光灯などを利用した人工光型の植物工場で現在のコストを踏まえて出せる照度は、1万ルクス程度、高くて2万ルクス程度と言われています。とすると、中光~弱光の範囲が、植物工場で栽培ができる品目と捉えて良いと思います。棚間の高さなどで制限はありますが、光環境という観点のみでみると、育てられるのは、中光のエンドウ、インゲン、セルリー、カブ。弱光でミツバ、ショウガ、レタス、フキ、シソ、シュンギクということになります。

ミツバ、レタスなどは、よく植物工場で栽培される品目です。シソも、商品価値はともかくとして、栽培されている実績があります。そういった意味で、飽和照度を基準にして、現在の植物工場で育てられる品目を考えるということはそんなに遠くない指標だと考えています。

別談ですが、今回調べてみて、エンドウやインゲン、ショウガがこの範囲に入っているというのは私には驚きでした。

ひょっとして、植物工場で栽培できるのか、試してみてもよいかもしれない、と少し考えて直しています。

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Creative Commons License photo credit: CIAT International Center for Tropical Agriculture

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