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どのくらいの期間で育つのか?

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植物工場では、野菜はどれくらいで育つのか?

 

これも、よくいただく質問の一つです。私がお返しする答えは、こんな内容です。

サラダ菜であれば出荷できる100g程度にまで成長するのに、種をまいてから約40日。人気のある品種、フリルアイスでは45~50日。ただし、育苗の段階を日数にカウントしない場合もあるので、20日と答える方もいます。

これまでに、サラダ菜をモデルとして、気温や水温、光量や二酸化炭素濃度などを最適に近づけることで、播種から25日から30日程度とする結果もあります。しかし、実際の植物工場でこれを採算ベースに乗せながら、再現できているところはそんなに多くないか、あるいはほとんど無いと言ってよいと思います。この環境を再現するのにコストが掛からなければ、当然ランニングコストも抑えられますので、理想的です。

ただ、多くの植物工場では、だいたいお答えしている40日~50日で生育させていると思われます。


Creative Commons License photo credit: Mason Masteka

生育スピードはそんなに変わらない?

ところで、実際露地での栽培の場合は、どうなのでしょうか?

種苗会社のホームページや店頭で、サラダ菜やリーフレタスの種を見れば、おおよその栽培期間を記載してあると思いますが、サラダ菜の場合ですと、40日~50日という記述がほとんどです。つまり、畑で栽培する場合でも条件が整っていれば、植物工場での栽培期間とそれほど変わらずに生産ができることもある、と言ってしまってよいのではないかと思っています。

Growth Horizon
Creative Commons License photo credit: Arty Guerillas

もちろん、どの植物工場でも「いかに栽培期間を縮めるか」ということを考えながら運営をされています。また、実際に30日以内に100gまで生育させることができている、という工場もあり(今度ひょんなことから訪問することになり楽しみです)、進歩していると思いますが、現状では露地栽培と生育スピードは劇的には変わらないと考えたほうがよさそうです。

 

強みは、「通年一定」であること

それでは、なぜ植物工場が効率的と言われるのかというと、それは四季関係なく、1年中栽培できる、という点にあります。年間17毛作という話もありますが、露地の場合は栽培する期間が限られる一方、植物工場の場合は室内の環境を常に一定に保つことができるので、常に生産、出荷ができるのです。出荷可能な期間を露地栽培で半年としても、その倍の期間は出荷できることになります。

さらに、同じ畑で続けて栽培ができない、いわゆる連作障害のような現象もありすので、栽培面積あたりの土地の利用効率としては、植物工場の方が上です。

二酸化炭素の施肥など、露地ではできない栽培促進を行い、生育を高めることも可能ですが、いかにランニングコストを上げないで栽培日数を縮め、回転数を多くするか、という点が植物工場の運営にあたり重要なポイントになるでしょう。

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