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どんな野菜が作れる?

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植物工場に関連する打合せやご質問でよくいただくのが、「植物工場でどんな野菜が作れるのか?」という内容です。

これはとても簡単なようでいて、実は奥の深い質問ではないかと思います。それは、「そもそも植物工場とは、なんなのか?」という質問に直結しているからです。植物工場という言葉は、どちらかといえば概念的なものであり、仕組みやシステムを言い表す言葉ですので、どのような野菜を作るものなのか、ということは明確にはなっていません。

Biodome
Creative Commons License photo credit: Bob Owen

どんな野菜もつくることができる

「施設内で、植物の生育に必要な環境を人工的に制御し、季節に関係なく連続的に生産するシステム」

「野菜や苗を中心とした作物を施設内で光、温湿度、二酸化炭素濃度、培養液などの環境条件を人工的に制御し、季節や場所に関係なく自動的に連続生産するシステム」

ちなみに、ざっと調べると以上のような文言が植物工場の定義として言われています。ここから言えることは、「植物工場では、どんな作物もつくることができる」というのがどんな野菜を作れるか?という問いの答えになるということです。

Ukjent laboratorium
Creative Commons License photo credit: Trondheim Byarkiv

研究用に環境調節機器を製造するメーカーなどでは、戦後から技術が集まりだし、すでに砂漠や熱帯雨林のような環境を再現する技術が存在しています。さまざまな植物の生態が明らかになってさえいれば、その環境を再現することで問題なく植物を育てることが出来ます。

ただ、特殊な環境を再現したり、強い光が必要な場合には、大きなコストがかかり、商業ベースに乗せるには難しいのが現状です。

また、栽培システムの多くは水耕栽培が採用されているため、水耕で栽培できる植物であることが必須です。この段階では、ピーマンやトマトなどの果菜類も含め、多くの野菜が栽培可能です。

閉鎖型では葉物がメイン

もう一つ、閉鎖系の植物工場でネックになるのが、光量になります。光量が多ければ良いですが、閉鎖型の植物工場では、1万ルクス程度であることが多いため、それでも栽培品目が限られてきます。また、常に環境を一定に保っているため、日長や寒暖の差などによって形がつくられたりする野菜は栽培が困難です。今現在、稼働している植物工場ではその多くの栽培品目がいわゆる「葉物野菜」です。

現在、閉鎖型の植物工場から出荷される作物の代表的な野菜は下のとおりです。

  • リーフレタス類
  • ルッコラ・バジルなどのハーブ類
  • 小松菜・ほうれん草
  • アイスプラント

これらは、閉鎖型の施設で、水耕栽培で栽培を行なった場合でも育てることができる野菜です。

 

ちなみに、研究レベルでは、多様なスペックの植物工場施設が考案されており、ワサビやブルーベリー、コケなど、さまざまな植物を生産できるよう、日夜研究がすすめられています。

より研究がすすめば、植物工場の可能性ももっと広がっていくでしょう。

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