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情報通信技術(ICT)を活用した沖縄型植物工場「デージファーム」

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2011年7月19日、沖縄県の中城村奥間浜原で「中城デージファーム開所式~地デジとICTで育てるみんなのデージファーム~」が開催されました。琉球大学が展開する、植物工場にICTを専門とする企業が本格的に参入した新しい取り組みです。

沖縄の農業
亜熱帯特有の気候にある沖縄県の農産品は、サトウキビやゴーヤーなど沖縄を代表する作物のほか、薬草や島野菜も県内外問わず人気です。また、冬でも温暖な気候を利用して、野菜類や菊などの花き類の栽培も盛んに行われています。一方、夏場は、高温や台風、病害虫被害などで野菜の生産が困難であるという側面もあります。今年5月の台風2号、8月の台風9号の被害は甚大で、作物によっては収穫見込みが6割にも減少。このような夏場は、輸送コストが割高な県外産野菜に頼らざるを得ない状況です。露地栽培のみでは安定的な供給が困難な沖縄県特有の課題に対し、琉球大学では5年程前から植物工場の研究開発に取り組んできました。

琉球大学が取り組む新しい農業技術
「日差しが強く気温も高い亜熱帯地域では、夏に野菜が生産できないため、植物工場は成立しやすいんです」と話す琉球大学農学部の上野正実教授。農業と機械の関連性について研究を進める中で、植物工場の可能性をいち早く感じていました。夏の過酷な農業のイメージを一新し、次世代の農業の仕組みをつくるために、コンピューターや通信技術、センサー、知識を駆使した知識集約型農業を提唱しました。ICTを専門とするアクシオへリックス株式会社が連携することで工場内の温度、湿度などの栽培環境の管理および生育状況をモニタリングするシステムをクラウドコンピューティングとして構築。60種類ほどの野菜の生産に成功しており、現在は需要の高いフリルアイスやサラダ菜などの葉野菜の中心に生産しています。

新しい地域コミュニティづくり
地デジを用いたモニタリングシステムは生産者のための栽培管理のみならず、消費者が自分達の食べたい野菜をモニターし安心して購入することができるようになります。また発芽から約40日間、野菜の成長を見て楽しむことも可能にします。つくる人、食べる人、見る人、みんなで育てる農場がデージファーム。負担が劇的に軽減された新しい農作業は、高齢者やリハビリ中の方々でも主体的に関わりやすく、彼らの「自立」や「生きがい」を支えるツール、さらには、社会との交流や子どもの食育など新しい地域コミュニティづくりのツールとなることを目指しています。旧市街地の産業衰退、高齢化社会の進行、雇用情勢の悪化などが進む昨今、デージファームの展開は雇用の創出や魅力ある地域の形成につながっていきます。

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