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植物工場の現在

目次

はじめに(このページです)
第1章 カギは水耕栽培にあり
インタビュー 水耕栽培のフロントランナー株式会社M式水耕研究所 会長 村井 邦彦
1-1 農業技術の発展と歴史
1-2 植物が育つには
1-3 土がなくても野菜はできる

第2章 環境の調節システム
インタビュー 未来を見据える植物工場研究のキーマン 千葉大学大学院園芸学研究科 教授 後藤 英司
2-1 植物工場って、何?
2-2 活用されるテクノロジー
2-3 最先端研究と国家プロジェクト

第3章 ビジネスモデルは成り立つか
インタビュー 植物工場ベンチャー 株式会社みらい 代表取締役 嶋村 茂治
3-1 植物工場の歴史
3-2 日本における植物工場の現状
3-3 事業としてのメリットと課題

第4章 未来への挑戦
インタビュー
グリーンサブウェイプロジェクト~店産店消への挑戦①~ 株式会社リバネス 代表取締役 丸 幸弘
インタビュー
グリーンサブウェイプロジェクト~店産店消への挑戦②~ 日本サブウェイ株式会社 代表取締役 伊藤 彰
4-1 地域に密着した植物工場の取り組み
4-2 照明とラックから省コストに挑む
4-3 クリーンルームのノウハウを植物工場に活かす
おわりに・著者略歴

はじめに

何千年と続く農業の歴史は、安定的に食べ物を得ることへのあくなき挑戦の歴史です。

20 世紀、農業技術は大きく進歩しました。農薬・肥料の開発による収穫増や機械化による大規模化は、私たちの生活を豊かにしました。しかし、地球環境の変化や砂漠化・塩害による耕作適地の減少といった新たな問題が起こる中、安定的な食料生産を行うことは未だ全人類に共通した課題であり続けているのです。

そして今、人類は科学技術を駆使してこれまでにない食料生産のしくみ「植物工場」の技術を開発し、この課題の解決に向けた新たな挑戦を始めています。

この植物工場というシステムに、さまざまな人が大きな可能性を感じ、心血を注いできました。その結果、安心安全な野菜、理想的な計画生産環境負荷の少ない持続可能な農業まで、その可能性は大きく広がりつつあります。

本書は、一般消費者のみなさま、そして食産業に関わるビジネスマンのみなさまに、植物工場の現在と今後の可能性を伝えるものです。全4章に分け、それぞれの章の冒頭にて、平成21 年度経済産業省「先進的植物工場推進事業」の一環として開催した講演会をベースに、各分野のフロントランナーの話を紹介します。また、それに関わるトピックスを通じて植物工場とはどのようなものなのか、そして今後どのような可能性があるのか、物語として伝えていきます。

本書を通して、この分野にかかわる人々の熱い想いと、植物工場の可能性を感じていただければ幸いです。

(著者一同)

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